1. ドローン(UAV)による空中測量へのシフト

これまで、広大な土地や山林、巨大なインフラ施設を測量するには、人間が過酷な自然環境に足を踏み入れ、何日もかけて歩き回りながら少しずつポイントを測るしかありませんでした。米国ではUSGSの3DEP(3D Elevation Program)が航空LiDAR測量データの全米カバレッジを目標に整備を進めており、ドローンLiDARもこの取り組みの重要な補完手段として位置づけられています。

しかし現在、これらの過酷な現場における地形データの取得は、ドローン(UAV:無人航空機)を活用した空中からの「3Dスキャン測量」へと急速に置き換わっています。人が立ち入るのが危険な崖崩れの現場や、樹木の生い茂る山林、巨大なダムの壁面などを、ドローンを飛ばすことで安全かつ数十分〜数時間という圧倒的なスピードで「3Dの点群データ(立体地形)」として取得できるようになったのです。

2. ドローン測量の2つのスキャン方式「写真」と「レーザー」

ドローンを用いた3Dスキャン測量には、搭載する機器によって大きく2つの方式が存在します。

① UAV写真測量(フォトグラメトリ/SfM)

ドローンに高解像度のデジタルカメラを搭載し、真下や斜めから大量の写真(数百枚)を連続撮影しながら飛行します。その写真を専用ソフトで解析し、写真同士の重なりから立体的な「地形の3Dモデル(点群やオルソ画像)」を作成します。

  • メリット:レーザー機材に比べて安価。地形の色や質感を写真のように超リアルに再現できる。
  • デメリット(限界):カメラの仕様上、森のように「木が茂っている場所」を上から撮影すると、木の葉の表面しか3D化できず、本当に欲しい「木の下にある地面の形」を知ることができません。

② UAVレーザー測量(ドローン LiDAR)

ドローンに小型の「3Dレーザースキャナー(LiDAR)」を搭載し、毎秒数十万発のレーザー光を真下の地面に向けて照射しながら飛行します。

  • メリット(特長):レーザー光は木の葉と木の葉の「わずかな隙間」をすり抜けて地面に到達し、跳ね返ってきます。そのため、鬱蒼とした森林であっても「木を取り除いたあとの、本当の地表面(地盤)の精密な3D地形データ」を完璧に取得することができます。土砂災害のシミュレーション等においてはLiDARの圧勝です。

3. ドローン測量と「地上型レーザースキャナー」の違い

広大な地形や巨大インフラ「全体」をマクロな視点でスピーディに把握するにはドローンLiDARが最強です。しかし、プラント設備や工場建築の「配管の改修工事」といったミクロで複雑な環境に入ると、ドローンは弱点を露呈します。

ドローンは基本的に「上空から見下ろす」形になるため、建物の軒下や、入り組んだ機械設備の下、何層にも重なった配管の「裏側(下側)」は全て死角となってしまい、正確な寸法データを取得できません。 ミリ単位の精度が求められ、設備が複雑に絡み合う工場・プラント・ビルの現況を完璧に「図面化」するためには、現場の床に三脚を立てて固定し、数十回位置を変えて隙間なくレーザーを照射する「地上型(固定型)3Dレーザースキャナー(TLS)」が絶対に必要となります。

4. 複雑なプラント設備・工場の「地上」3Dスキャン・図面化は愛管へ

「広大な地形ではなく、工場の複雑な配管・設備を改修するために、死角のない完璧なミリ単位の現況図面データが欲しい」 そのような、ドローンでは測れない複雑・高精細な設備現場の「地上」からの確実な計測と図面化は、設備の配管設計・施工のプロフェッショナルである愛管株式会社のワンストップ・3Dスキャンサービスにお任せください。

空間の誤差と死角を絶対に許さないため、私たちは建設測量現場で最高峰の信頼を得ているハイエンド地上型レーザースキャナー「Trimble X7」を主軸に使用しています。数十メートル先のプラント空間全体であっても常に【数ミリ以内】の安定した誤差で正確に寸法情報を取得します。 さらに、固定型でもレーザーが届かない入り組んだ機械の裏や配管の影には、高精度ハンディ型スキャナー「3DMakerpro Eagle Max」を潜り込ませて補完。見通しの悪い現場であってもスタッフが何度もの機材の設置移動(盛り替え)を行い、半日以上を這いつくばって現場の空間情報を死角なく記録し尽くします。

そして愛管の最大の強みは、持ち帰った点群データを「InfiPoints」等のプロ用ソフトで解析・最適化し、お客様が普段使い慣れている業界標準の設備CADソフト「Rebro」などで即座に使える「完璧な精度の3DCAD図面にモデリング(図面化)」して直接納品する点にあります。

過酷で泥臭い現場のミリ単位スキャンから、高度なモデリング図面化までのプロセスすべてを、外注下請けゼロの「完全内製化」で請け負うため、面積と階層に基づく明朗会計で全国の工場や現場へ出張対応いたします。 (静岡県内の現場であれば、作成した高精度図面を用いて、実際の配管・設備改修工事自体も自社で一貫施工可能です)

設備の裏側まで知り尽くした配管のプロによる、絶対に失敗しない現況図面作成は、愛管の3Dスキャンサービスへご相談ください。

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参考文献

  • USGS 3D Elevation Program (3DEP) — 航空LiDAR測量の全米プログラムとして参照
  • ASPRS LAS Specification — 航空LiDAR点群データの標準フォーマットとして参照