1. モノづくりと建設の命綱「寸法測定」
工場で精密な機械部品を削り出すとき、あるいは建設現場で新しい配管を通すとき、すべての工程は「現在の寸法(長さや角度)を正確に測る」ことから始まります。もしここで1ミリでも測り間違えれば、部品は組み立てられず、配管は現場でぶつかって大事故(手戻り)に繋がります。
製造業における寸法測定の公差定義はASME Y14.5(GD&T: 幾何寸法公差方式)として国際的に標準化されており、3Dスキャンによる検査結果もこの規格に基づいて評価されます。
この「対象の長さを測る方法」は、現在、デジタル技術の進化によって劇的なパラダイムシフト(転換期)を迎えています。
特に設備改修の現場で深刻なのは、「図面が残っていない既存設備」の寸法を正確に把握する作業です。築30年以上の工場では、増改築を繰り返すうちに図面と実態が乖離しているケースが珍しくありません。こうした現場で新たな配管ルートを計画するには、既存設備の寸法を1つ残らず正確に測り直す必要があり、従来のアナログ方式では何日もかかる膨大な作業になります。
2. 接触式測定(従来のアナログ方式)
対象物にメジャーや定規を「直接触れさせて」測る、昔からある最も確実で普遍的な方法です。
- ハンドツール(ノギス、マイクロメーター、巻尺など) 作業員が手で持ち、小さな部品の太さから部屋の端までの長さを測ります。誰でも安価に使えますが、「測る人の技術や力のかけ具合」によって数ミリの誤差が出やすく、何千箇所の配管を測るような巨大プラントでは「測り忘れ」が多発し丸一日かかるという限界があります。
- 接触式三次元測定機 工場の検査室に置かれる数千万円の高額な機械です。ルビーの付いた丸い球(プローブ)を部品に「カチッ」と直接当てて、その点の座標をミクロン(千分の一ミリ)単位で極めて正確に測ります。精密な車のエンジン部品などに使われますが、機械に入らない大きなモノは測れません。
3. 非接触式測定(3Dスキャンによるデジタル方式)
対象物に一切近づかず、光やレーザーを使って「離れた場所から」寸法を割り出す現代の主流技術です。
- 画像測定(スマホアプリやカメラベースの三次元測定機) カメラで撮った画像から長さを計算します。平面的な小さな部品を高速で自動検査するのには向いていますが、奥行きのある複雑な立体物になると誤差が大きくなります。
- 3Dレーザースキャナー(地上型・ハンディ型・LiDARなど) 建設やプラントの設備改修において、最も強力な「現代のメジャー」となっているのがこの技術です。 部屋の真ん中に三脚を立てて固定型スキャナー(TLS)を作動させると、1秒間に数十万発のレーザーが360度に飛び交い、対象物に全く触れることなく、わずか数分で「数十メートルの配管の全ての寸法と位置関係(点群データ)」をミリ単位の精度でパソコンに保存してしまいます。「測り忘れ」という概念が消滅します。
4. 巨大プラント・設備現場の非接触寸法計測(図面化)は愛管へ
「自社の工場の配管レイアウトを変更したいが図面がない。危険で高い場所が多く、メジャーを手で当てて測ることができない。何十メートルにも及ぶ設備を、高精度な非接触方式で安全かつ正確に寸法を測って(スキャンして)図面化してほしい」。 そのような過酷な「現場の寸法測定とデータ化」は、設備の配管設計・施工の裏まで知り尽くしたプロフェッショナル、愛管株式会社のワンストップ・3Dスキャンサービスにお任せください。
空間の絶対的な寸法精度を担保するため、私たちは建設現場で最高峰の信頼を得ているハイエンド地上型非接触レーザースキャナー「Trimble X7」を使用しています。プラントのような巨大で入り組んだ数十メートルの空間全体であっても、常に【数ミリ以内】の安定した誤差で正確に寸法情報(点群)を取得します。 さらに、固定型ではどうしても生じてしまう配管の裏の「死角」に対しては、高精度ハンディ型スキャナー「3DMakerpro Eagle Max」を併用します。見通しの悪い現場となれば、スタッフが半日以上を這いつくばって現場の寸法情報を死角なく徹底的に3Dスキャンし尽くします。
そして最大の強みは、持ち帰った点群データを自社のプロ用ソフト「InfiPoints」で解析し、お客様が普段使い慣れている業界標準の設備CADソフト「Rebro」などで即座に使える「完璧な精度の3DCAD図面にモデリング(図面化)」して直接納品する点にあります。お客様はただ待っているだけで、完璧な現況寸法が書き込まれたデジタル設計図が手に入ります。
過酷な現場のスキャン計測から、高度なモデリング図面化までのプロセスすべてを外注下請けゼロの「完全内製化」で請け負うため、面積と階層に基づく明朗会計で全国の工場現場へ出張対応いたします。 (静岡県内の現場であれば、作成した高精度図面を用いて、実際の配管・設備改修工事自体も自社で一貫施工可能です)
メジャーやアナログ計測では絶対に届かない、手戻りゼロの「確実な寸法図面作成」は、愛管の3Dスキャンサービスへご相談ください。
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参考文献
- ASME Y14.5 “Dimensioning and Tolerancing” (GD&T) — 寸法公差定義の国際規格として参照