1. 点群データとBIM/CADの連携とは
建設業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)おいて、最も大きな相乗効果を生み出しているのが「3Dスキャン(点群データ)」と「BIM(Building Information Modeling)/3DCAD」の連携です。海外では buildingSMART が推進する IFC(Industry Foundation Classes)形式が点群データとBIMの橋渡しとして重要な役割を果たしており、ISO 16739 として国際規格化されています。
BIMやCADは、設計者がパソコンの画面という「仮想空間」で、ゼロから理想の建物を設計していくツールです。一方の点群データは、現実世界の建物をレーザースキャナーで丸ごと読み取った「現実空間」の精密なコピーです。 パソコンの画面上で、この「理想の設計データ」と「現実の点群データ」を重ね合わせ(連携させ)ることで、古い建物の正確な改修設計や、工事が図面通りに進んでいるかの厳密なチェックが可能になります。
2. Scan to BIMのワークフロー
既存の建築物やプラント設備を3Dスキャンし、そのデータを元にBIMモデルやCADデータを作成していくプロセスを業界では「Scan to BIM(スキャントゥビム)」と呼びます。
Step1:点群データの最適化とBIMへのインポート
現場で取得した巨大な点群データ(E57形式やLAS形式など)は、そのままではBIMソフト(RevitやArchicadなど)やCADソフトで読み込むと重すぎてフリーズしてしまいます。事前に点群処理ソフトでノイズを消し、データを軽量化してからインポートします。 (※例えばAutodesk社のRevitの場合、同社のReCapというソフトを使ってRCP形式という専用の軽いデータに変換してから読み込ませるのが一般的です。)
Step2:点群を下敷きにしたトレース(モデリング)
BIMソフトの画面には、無数の「点」で構成された「実物の建物のホログラム」のようなものが表示されます。設計者はその点群のシルエットを「なぞる」ようにして、あらかじめ用意されたBIMパーツ(柱、壁、H鋼、各種配管など)を配置していきます。「ここは直径150mmのパイプの点群だな」と判断したら、ソフト内の150mmパイプのパーツに置き換えていくのです。
Step3:情報(プロパティ)の付与
ただ形を作る「CAD」とは異なり、「BIM」の場合はなぞって配置したパーツひとつひとつに「この壁はコンクリート製」「この配管は〇〇社製の耐熱モデル」といった属性情報を持たせることができます。これにより、後々の施設の維持管理が劇的に楽になります。
3. 点群連携における最大の壁「手作業モデリングの限界」
「Scan to BIM」は理想的なプロセスに見えますが、実際に導入して挫折する企業が後を絶ちません。その最大の理由は「モデリング(トレース作業)にかかる膨大な手作業の工数」です。
AIの進化により、点群から自動で配管などをモデリングするソフトウェア(InfiPointsなど)も登場していますが、複雑に絡み合ったプラント配管や、老朽化して歪んだ躯体(柱や壁)をAIが完璧に自動認識することは現在でも不可能です。最終的には、熟練したオペレーターが点群の「点」を見つめながら、数日〜数週間かけて地道に手作業でCADパーツへと置き換えていく泥臭い作業が必須となります。 機材とソフトに数百万投資しても、この「点群とBIMの両方を扱える熟練のモデラー」が社内にいなければ、点群データはただの「重い画像」として腐ってしまいます。
4. 現場のスキャンからBIM/CAD図面化まで!愛管の完全代行サービス
「古い工場を改修して新しい機械を入れたいが、図面がない。点群データの活用が良いと聞いたが、自社にBIMを使える人間も、ハイスペックなパソコンもない」。 そんな製造・建設・設備関連の中小企業様を救うのが、愛管株式会社のワンストップ・3Dスキャンサービスです。
私たちは、測量機材やソフトの「販売」ではなく、現地の計測からCADデータ化までの「実作業」を全て引き受けるプロフェッショナル集団です。
現場の計測には、ハイエンド固定型レーザースキャナー「Trimble X7」と、入り組んだ機械や配管の裏の「死角」を完全に無くすハンディ型スキャナー「3DMakerpro Eagle Max」をハイブリッドで稼働。例えば配管が密集する200平米のプラントであれば、作業員が半日以上這いつくばり、30回以上の機材移動(盛り替え)を行って「一切の妥協のない完璧な現況データ」を持ち帰ります。
お客様にとって一番のメリットは、私たちがこの複雑な点群データを、自社オフィスの専門環境(InfiPoints等)で処理し、さらに業界標準の設備CADソフト「Rebro」などを用いて「改修計画にそのまま使える3DCAD図面にモデリング(Scan to BIM)」した状態で納品することです。 お客様自身が点群と格闘する必要は一切ありません。最新の、現況とミリ単位で合致した「生きた図面」をすぐに入手できます。
機材もソフトもオペレーターも、全て愛管の「内製化リソース」を活用するため、中間外注コストは一切かかりません。面積や階数に応じた分かりやすい明朗会計で、全国の現場に出張いたします。(静岡県内の現場であれば、作成した図面を基にした実際の配管・設備改修工事自体も自社でお請けいたします)
図面のない施設のスマートな3D化・BIM化は、まずは愛管株式会社へご相談ください。
関連記事
- 点群データ処理ソフト比較|無料・有料の主要ツール
- 点群データのファイル形式ガイド|E57・LAS・PLY・PTS の違い
- 建築・ビルの3Dスキャン|既存建物の図面化から改修設計まで
- 三次元点群処理とは?データ最適化の手順と専用ソフト解説
- プラント設備3Dスキャン完全ガイド|配管・機器の図面化
参考文献
- ISO 16739 “Industry Foundation Classes (IFC) for data sharing in the construction and facility management industries”
- ISO 19650 “Organization and digitization of information about buildings and civil engineering works”