1. 押し入れの「紙の写真」が劣化してしまう前に
私たちの身の回りには、スマートフォンが普及する前に撮影された「紙にプリントされた写真」や「分厚いアルバム」が大量に眠っています。海外ではAgisoft MetashapeやREALITY Captureなどの写真測量専用ソフトウェアがデファクトスタンダードとなっており、考古学から建設業まで幅広い分野で活用されています。 写真は紙である以上、長年の湿気や紫外線によって色あせ(退色)、カビ、物理的な破れといった劣化が避けられません。また、巨大なアルバムは場所を取るため、引っ越しや遺品整理の際に見返す機会も減ってしまいます。
これらの貴重な思い出を永遠に色褪せない形で保存し、いつでもスマホで見返したり家族とシェアしたりできるようにする作業が、「フォトスキャン(紙写真のデジタル化)」です。
2. スマホアプリで手軽に「フォトスキャン」する
数枚〜数十枚の写真をデータ化するなら、わざわざ高価な機械を買わずとも、スマートフォンのカメラと無料アプリで十分に対応可能です。
【Google フォトスキャン】 この分野で最も有名で強力な無料アプリが、Googleが提供する「フォトスキャン」です。 普通のカメラアプリで光沢のある紙写真を撮ると、蛍光灯の光が反射して真っ白な「テカり(グレア)」が入ってしまいます。しかしこのアプリは、1枚の写真に対して「真ん中・四隅」の計5回カメラを動かして撮影し、それらをAIが自動合成することで、「光の反射を完全に除去した一枚の綺麗なデジタルデータ」を自動生成してくれます。写真のフチの歪みも自動で真っ直ぐに補正される魔法のようなアプリです。
3. 大量のアルバムを一気にスキャンする「専門機器」
実家にあるダンボール数箱分、数百枚から数千枚におよぶ写真をスマホで1枚ずつ撮っていくのは現実的ではありません。その場合は、専用のハードウェア(スキャナー)の出番です。
- フラットベッドスキャナー(プリンター複合機など) ガラス面に写真を並べて蓋を閉め、光を当てて読み取る昔ながらのスキャナーです。画質は非常に高く、アルバムの台紙ごと(写真が貼られた状態のまま)面でスキャンできるのが強みですが、読み取り速度が遅いのが難点です。
- シートフィード型フォトスキャナー 「ScanSnap」などに代表される、紙を何十枚もセットして「パラパラパラッ」と一瞬で連続吸い込みしてデータ化していく高速スキャナーです。数百枚のバラバラの写真を数分でデータ化・自動補正してくれます。(※ただし、アルバムから一度写真を剥がす必要があります)
4. 紙のデジタル化から「現実空間のデジタル化」の世界へ
さて、「紙の写真をデジタルデータ(2D)にしてパソコンの中に保存する」というフォトスキャンの概念を、さらに次元を一つ上げて「現実の立体物や空間そのものをデジタルデータ(3D)にしてパソコンの中に保存する」技術が、ここ近年で急速に普及しています。
それが、私たちにご相談の多い「3Dレーザースキャン」および「フォトグラメトリ(3D写真測量)」の技術です。
例えば「解体されてしまう歴史的な建築物」や、「老朽化して図面の存在しない工場の配管設備」。これらは紙の写真と同じで、時間が経てば劣化し、あるいは無くなってしまいます。 これを最新の3Dスキャナーで読み取ることで、ミリ単位の形状を持った「3Dのデジタルツイン」として永遠にパソコンの中に保存でき、後からいつでも長さを測ったり、改修工事の設計図面として再利用したりすることが可能になるのです。
5. 工場設備・建築物の「3Dフォトスキャン(空間デジタル化)」は愛管へ
「古い工場の設備を改修したいが、昔の紙の図面しかなく、しかも現状と全く違っている。ミリ単位で正確な"現在の立体図面"が欲しい」。 このような、アナログな現実空間の「デジタル化(図面化)」は、設備の設計と施工のプロフェッショナルである愛管株式会社のワンストップ・3Dスキャンサービスにお任せください。
空間の劣化や歪みをミリ単位で正確に捉えるため、私たちは建設現場で最高峰の精度を誇る地上型レーザースキャナー「Trimble X7」と、隙間に入り込めるハンディ型スキャナー「3DMakerpro Eagle Max」を併用します。見通しの悪い工場であっても徹底したスキャナーの移動(盛り替え)を行い、空間情報を死角なくフル3Dで記録し尽くします。
そして最大の強みは、持ち帰った点群データを「InfiPoints」等のプロ用ソフトで解析し、お客様が普段使い慣れている業界標準の設備CADソフト「Rebro」などで即座に使える「完璧な精度の3DCAD図面にモデリング(図面化)」して直接納品する点にあります。紙の写真をスキャンするように、現実の工場を「生きた3Dデータ」としてお客様にお戻しします。
現場のミリ単位スキャンから、高度なモデリング図面化までのプロセスすべてを外注ゼロの「完全内製化」で請け負うため、面積と階層に基づく明朗会計で全国の現場へ出張対応いたします。 (静岡県内の現場であれば、作成した高精度図面を用いて、実際の配管・設備改修工事自体も自社で一貫施工可能です)
図面のない空間の完璧なデジタルアーカイブ化・BIM設計化は、愛管の3Dスキャンサービスへご相談ください。
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参考文献
- “SfM-MVS Photogrammetry Best Practices” — 写真測量(フォトグラメトリ)のベストプラクティスとして参照