1. 原理上どうしても発生する「レーザー測量の死角」
広大なプラントや工場を丸ごと3DCAD図面化する際、現在最も信頼されている主力の機材が地上固定型(TLS)の3Dレーザースキャナーです。 部屋の真ん中に三脚を立てて数分待つだけで、数十メートル先の配管までミリ単位の誤差で正確に空間全体を測量してくれます。
海外のプラント・文化財プロジェクトでも、この地上型(TLS)の広域精度と、狭所・死角に強いハンディ型を統合するハイブリッドアプローチが、データ取得効率とAs-Built BIM精度を最大化する手法として強く推奨されています。
しかし、光(レーザー)の直進性を利用して測るという原理上、この固定型スキャナーには致命的な弱点が存在します。 それは「レーザーが当たらない裏側や、何層にも重なった配管の影(奥)は、データとしてスキャンされず、ポッカリと穴が空いてしまう(死角になる)」ということです。
2. 死角を潰すための戦い「盛り替え」の限界
この死角(影)を無くすために、現場のスキャン作業員は「三脚の設置場所を変えて、角度を変えて何度も何度もスキャンを繰り返す」という作業を行います。これを業界用語で「盛り替え」と呼びます。
例えば、機械が密集した200平米ほどの見通しの悪い工場であれば、1日に数十回もの大規模な盛り替えを行い、点群データの合成を行わなければなりません。 しかし、どんなに三脚の位置を変えても、そもそも「人間が三脚を立てて入り込む隙間がない機械と機械の隙間」や、「下から見上げることしかできない天井裏の配管の"上側"」には、どうしてもレーザーを届かせることができず、完璧な空間図面としての寸法データが抜け落ちてしまいます。
3. 究極の解決策「固定型×ハンディ」のハイブリッド方式
「広大で正確な空間の座標」を持つけれど影ができやすい【固定型TLSスキャナー】と、この弱点を埋めるために近年進化を遂げたのが【ハンディ型3Dスキャナー】によるハイブリッドスキャン手法です。
手に持ってスプレーを吹きかけるように対象物をなぞってスキャンするハンディ型スキャナーの最大の武器は、「自由自在にあらゆる隙間に機材を潜り込ませて裏側を測れる」ことです。 しかし、ハンディ型は「遠くや広い範囲」を測る能力が低く、工場全体を数人の人間が歩き回ってハンディだけでスキャンすると「空間全体を繋ぎ合わせた時に数センチの歪み(誤差)」が出てしまいます。
そこで、以下のような「両者のいいとこ取り」のハイブリッド方式が、現在の入り組んだプラント計測における最高到達点の技術とされています。
- マクロの骨格作り(TLS):まずは「Trimble X7」のようなハイエンドの地上固定型スキャナーで、工場全体の空間の「柱」や「巨大な配管」といった絶対的な寸法情報(骨格)を一切の歪みなく、ミリ単位の高精度で取得します。
- ミクロの肉付け(ハンディ):その固定型スキャナーで作った完璧な座標空間の「死角(配管の裏側や入り組んだバルブの隙間)」に対して、「3DMakerpro Eagle Max」のような高精度ハンディ型スキャナーを潜り込ませて、抜けているデータを補完するように測り取ります。
4. この「ハイブリッドスキャン」と図面化をワンストップで愛管へ
「広大な工場の空間寸法は絶対に狂わないように測ってほしい。と同時に、複雑に絡み合った機械の裏側や、配管の隙間などの死角も完璧にデータ化してCAD図面に起こしてほしい」。
そんな最高難易度のご要望に応えるのが、配管設備設計・施工のプロフェッショナルである愛管株式会社のワンストップ・3Dスキャン・モデリングサービスです。
私たちはまさにこの「ハイエンド固定型レーザースキャナー(Trimble X7)×高精度ハンディ型スキャナー(3DMakerpro Eagle Max)」を組み合わせたハイブリッドスキャン体制を標準で敷いています。 見通しの悪い現場となれば、スタッフが半日以上を這いつくばって、固定型とハンディ型を持ち替えながら、現場の寸法情報を「死角ゼロかつミリ単位の絶対精度」で記録し尽くします。機材のレンタル業者やIT測量代行屋では絶対に踏み込まない、設備の極地まで私たちは測り尽くします。
そして愛管の最大の強みは、持ち帰った巨大な2つの点群データを自社オフィスのプロ用ソフト「InfiPoints」で統合・解析し、お客様が普段使い慣れている業界標準の設備CADソフト「Rebro」などで即座に干渉(ぶつかり)チェックに使える「完璧な精度の3DCAD図面にモデリング(図面化)」して直接納品する点にあります。お客様は機材の使い分けや手戻りの心配を一切する必要がありません。
過酷なハイブリッド現場スキャンから、高度なモデリング図面化までのすべてを、外注ゼロの「完全内製化」で請け負うため、面積に基づく明朗会計パッケージで全国の工場現場へ出張対応いたします。 (静岡県内の現場であれば、作成した高精度図面を用いて、実際の配管改修工事自体も自社で一貫施工可能です)
どんな死角も逃さない、絶対に手戻りのない「完璧な現況図面作成」は、愛管の3Dスキャンサービスへご相談ください。
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参考文献
- “Integrating TLS and Handheld Scanners for Complex Environments” — TLSとハンディスキャナーの統合ケーススタディとして参照