1. コンクリートに血潮のように浮き出る「白い粉」
街を歩いていると、コンクリートの擁壁やレンガの目地、トンネルの壁面などから、白い粉が吹いたように垂れ下がったり、つららのように固まっている現象を目にすることがあります。海外ではコンクリート構造物のエフロレッセンス(白華現象)の範囲・深度を3Dスキャンとサーマルイメージングの組み合わせで非破壊的に評価する手法が研究されています。ACI 201.2R(コンクリートの耐久性ガイド)がエフロレッセンスの原因と対策の国際的な指針として広く参照されています。 この現象を建設用語で「エフロレッセンス(白華現象・はっかげんしょう)」と呼びます。
エフロレッセンス自体は、コンクリートの中に含まれる「水酸化カルシウム」などの成分が、雨水などの浸入によって溶け出し、表面で空気中の炭酸ガスと反応して白く結晶化したものです。この白い粉自体に毒性はなく、直ちに構造物が崩壊するわけではありません。しかし、エフロレッセンスはインフラ施設の健康状態を測るための「重大な初期サイン(エラーメッセージ)」として扱われます。
2. なぜエフロレッセンスを放置してはならないのか
エフロレッセンスが発生しているということは、「裏側に水が浸入する隙間(ひび割れやジャンカ)があり、そこを水が通り抜けている」という決定的な事実を示しています。
この状態を長期間放置すると、雨水によってコンクリート内部の成分がどんどん抜け出てしまい(中性化)、最終的には内部の鉄筋が錆びて膨張し、コンクリートが剥がれ落ちる「爆裂」という致命的な損傷を引き起こします。つまり、トンネルや橋脚の壁面にエフロレッセンスが大量に発生している場合、見えない内部で深刻な劣化が進んでいる可能性が高いのです。
3. 従来のアナログな目視点検の限界
これまで、橋脚やトンネルといった巨大なインフラのエフロレッセンスやひび割れ(クラック)を点検するには、点検員が深夜にロープでぶら下がったり、高所作業車に乗ったりして、直接目で見てチョークで印をつけ、デジカメで写真を撮るという過酷で危険なアナログ作業が行われてきました。 しかし、これではコストも膨大にかかり、日本の数十万ある老朽化したインフラを全て点検することは物理的に不可能です。
4. 3DスキャンとAI画像解析による「点検のDX化」
そこで現在、インフラ点検の主流になりつつあるのが、「ドローンによる空撮」や「MMS(車載型レーザースキャナーシステム)」を用いたデジタル点検技術です。
MMSやドローンを使い、走りながら、あるいは飛びながら、高解像度のカメラと3Dレーザースキャナーで巨大なコンクリート構造物を丸ごとデジタル空間(点群と画像)に取り込みます。 そして、その超高精細な画像データをAI(人工知能)に読み込ませます。AIは画像の中から「0.2ミリのひび割れ」や、周囲の色と違う「エフロレッセンスの白い染み」を人間以上の精度で自動検出し、その箇所を3DCADモデルの上に赤くマッピング(図示)してくれます。 これにより、人間が危険な高所に行かずともパソコン上で完璧な点検調書が作成できるようになりました。
5. 複雑なプラント内のコンクリート劣化・配管計測は愛管へ
ドローンやMMSは広大な橋梁や外壁の点検には最強です。しかし「複雑な工場の建屋内」や「パイプが何層にも重なったプラント内部」の基礎コンクリートの劣化や、老朽化した配管の改修設計をしたい場合、ドローンは飛べず、車も入れません。
工場やプラントの屋内では、コンクリートの基礎や柱に加えて、錆びた配管の膨張によるコンクリートの押し出しや、冷却水の漏水に起因するエフロレッセンスが発生していることがあります。こうした複合的な劣化を正確に評価するには、構造物の現在の形状をミリ単位で3D化し、設計時の図面との差異を数値で可視化する必要があります。ただし、点群データはあくまで形状の記録であり、コンクリートの微細な亀裂や配管内部の腐食といった劣化そのものを直接検出することはできません。劣化診断には、目視検査や非破壊検査など別途専門的な調査が必要です。
そのような、広域スキャナーでは入り込めない「複雑な工場設備(屋内・局所)」のシビアなミリ単位の現況図面化は、配管設備設計・施工のプロフェッショナルである愛管株式会社のワンストップ・3Dスキャンサービスにお任せください。
私たちは、現場の床に三脚で固定して最高精度を発揮するハイエンドレーザースキャナー「Trimble X7」と、隙間に入り込める高精度ハンディ型スキャナー「3DMakerpro Eagle Max」を併用します。スタッフが歩き回り、機材を何十回と移動(盛り替え)させる泥臭いスキャン作業により、入り組んだプラントの「基礎コンクリートのわずかな傾き」から「サビた複雑な配管の全貌」まで、死角なく完璧な点群データとして記録し尽くします。
そして最大の強みは、取得した点群データを自社のプロ用ソフト「InfiPoints」で解析し、お客様の設備CADソフト「Rebro」などで即座に干渉チェックや改修計画に使える「完璧な精度の3DCAD図面にモデリング(図面化)」して直接納品する点にあります。
過酷な現場のミリ単位スキャンから、高度なモデリング図面化までのプロセスすべてを、外注下請けゼロの「完全内製化」で請け負うため、明朗会計で全国の工場現場へ出張対応いたします。 (静岡県内の現場であれば、作成した高精度図面を用いて、実際の配管・設備改修工事自体も自社で一貫施工可能です)
自動化ドローンの入れない複雑な工場設備の「完璧な現況図面作成」は、愛管の3Dスキャンサービスへご相談ください。
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参考文献
- ACI 201.2R “Guide to Durable Concrete” — コンクリートのエフロレッセンス(白華現象)の原因・対策ガイドとして参照