1. 「現実」をそのまま持ってくるのが最速のメタバース構築
ヘッドマウントディスプレイ(VRゴーグル)を被って仮想空間(メタバース)を歩き回る体験は、エンターテインメントの枠を超え、企業のビジネスツールとして急速に普及しています。3Dスキャンデータをメタバースやバーチャル空間に取り込む際のデータフォーマットとしては、Khronos Groupが策定したglTF 2.0が国際的なデファクトスタンダードとなっており、「3DのJPEG」とも呼ばれています。 これまでは、仮想空間内に「会社のエントランス」や「自社の工場」を作るためには、CGクリエイターが数ヶ月の時間をかけてパソコン上で一から(床の模様から機械のパーツまで)手作りでモデリングしていく必要がありました。
しかし現在、この常識は「3Dレーザースキャナー」と「フォトグラメトリ(3D写真測量)」の登場によって破壊されました。 現実の工場や建物にスキャナーを持ち込んで数時間計測するだけで、その空間の形(寸法)と色(写真)がそのまま丸ごと「3Dデータ」としてパソコンの中にコピーされるため、手作業でモデリングする何十分の一の時間とコストで、超リアルな仮想空間を構築できるようになったのです。
2. 3Dスキャンを使ったVR・仮想空間のビジネス活用事例
現実に存在する空間をそのままデジタルに持ち込む技術は、以下のような分野で絶大な効果を発揮しています。
① バーチャルルームツアー(不動産・住宅)
最も身近な例が不動産の内見です。Matterport(マターポート)などの専用3Dカメラを使って部屋全体をスキャンすると、ユーザーは手元のスマホやパソコンのブラウザ上で、まるでストリートビューのように部屋の中を自由に歩き回り、さらに画面上で「キッチンの幅」や「天井の高さ」を測ることができるようになります。
② バーチャル工場見学・研修システム(製造業)
危険が伴うプラントや、海外にある工場の内部を3DスキャンしてVR空間化します。新入社員はVRゴーグルを被るだけで、「バルブを開ける手順」や「機械の点検ルート」を、現実と全く同じスケール感の仮想空間内で、安全かつ何度でもシミュレーション訓練することができます。
③ 歴史的建造物・文化財のデジタルアーカイブ
老朽化で解体される建物や、立ち入り禁止の遺跡などをスキャンし、色と形をミリ単位で永遠に保存(デジタルアーカイブ)します。そのデータを使い、世界中の人がアクセスできるバーチャルの観光メタバース空間として一般公開する動きが世界中で進んでいます。
3. 「見た目のVR」と「寸法のCAD」の超えられない壁
このように、VRやメタバース目的の3Dスキャンは「そこにある本物のような質感(見た目)」を伝える能力において右に出るものはありません。
しかし、工場の生産ラインの増設や配管の改修工事において、「既存設備にぶつからないように、新しい部材をミリ単位で事前設計する」というシビアな実務(手戻り防止のシミュレーション)を行う場合、Matterportなどの「見た目重視・写真合成メインのVRデータ」では力不足となります。 配管同士の干渉チェックを確実に行うためには、「写真のような映像データ」ではなく、数ミリの絶対寸法を持った点群をベースにし、意味を与えられた【完璧な寸法の3DCAD図面(BIM)】へと変換するリバースエンジニアリング作業が絶対に必要となるからです。
4. ミリ単位のプラント空間の「CAD図面化」は愛管へ
「VRのような見た目ではなく、自社の工場の複雑な配管・設備を改修するために、死角のない完璧なミリ単位の現況図面(CAD)データが欲しい」 そのような、絶対に失敗の許されない実務設備の測量・図面化は、設備の配管設計・施工のプロフェッショナルである愛管株式会社のワンストップ・3Dスキャンサービスにお任せください。
空間の誤差を一切許さないため、私たちは建設・測量現場で最高峰の信頼を得ているハイエンド地上型レーザースキャナー「Trimble X7」を自社導入しています。プラントのような入り組んだ数十メートルの空間であっても、常に【数ミリ以内】の安定した誤差で正確に空間を点群化(寸法取得)します。 さらに、固定型ではどうしても生じてしまう配管の裏の「死角」に対しては、高精度ハンディ型スキャナー「3DMakerpro Eagle Max」を併用します。見通しの悪い現場となれば、スタッフが半日以上を這いつくばって現場の寸法情報を死角なく徹底的にスキャンし尽くします。
そして愛管の最大の強みは、持ち帰った巨大なデータを自社オフィスのプロ用ソフト「InfiPoints」で解析・最適化し、お客様が普段使い慣れている業界標準の設備CADソフト「Rebro」などで即座に干渉チェックに使える「完璧な精度の3DCAD図面にモデリング(図面化)」して直接納品する点にあります。
過酷な現場のミリ単位スキャンから、高度なモデリング図面化までのプロセスすべてを、外注下請けゼロの「完全内製化」で請け負うため、面積と階層に基づく明朗会計で全国の工場現場へ出張対応いたします。 (静岡県内の現場であれば、作成した高精度図面を用いて、実際の配管・設備改修工事自体も自社で一貫施工可能です)
見た目のVRを超えた、絶対に現物合わせの手戻りを起こさないプロのための「寸法図面化」は、愛管の3Dスキャンサービスへご相談ください。
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参考文献
- Khronos Group glTF 2.0 Specification — 3Dデータのウェブ・VR向け標準フォーマットとして参照